月刊ミュージカル6月号「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」製作発表記事・書き起こし

mikittysmile2006-06-24


月刊ミュージカル 6月号
リボンの騎士 ザ・ミュージカル

リボンの騎士 ザ・ミュージカル』製作発表

・8月1日〜27日 新宿コマ劇場

手塚治デビュー60周年を迎える今年、傑作漫画『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』がモーニング娘。美勇伝宝塚歌劇団のコラボレーションによってミュージカル化されることになった。
リボンの騎士』は1953年に発表された日本発の連載少女漫画で、手塚が愛した宝塚歌劇の華やかなステージに触発されて執筆した作品であることで知られている。
男と女、二つの魂をもって生まれてきたシルバーランドの王女サファイアは、男にしか王位継承権がないことを理由に王子として育てられてきた。ある日、隣国の王子フランツと出逢い、生まれて初めて恋をする。男として生きなければならない運命に葛藤するサファイアに更なる悲劇が待ち受けていた…。
モーニング娘。美勇伝マルシア、特別出演の安倍なつみ辻希美松浦亜弥に加え、宝塚歌劇団から箙かおる(専科)、監修に植田紳爾、脚本・演出に木村信司が参加。音楽を甲斐正人、振付を羽山紀代美が手掛け、スーパーバイザーとして、㈱手塚プロダクション取締役でヴィジュアリスト手塚眞も顔を揃える。
漫画『リボンの騎士』のミュージカル化にふさわしく、“東京国際アニメフェア2006”の会場で行われた製作発表では、モーニング娘。美勇伝がテーマソング「ミステリー オブ ライフ」をキュートに披露後、出演者代表とスタッフ陣が公演に向けての意気込みを語った。
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高橋愛(サファイア)…「憧れていた作品だったので、びっくりしたのと、嬉しいのと、“ちゃんとやらなきゃなぁ”というのと、“頑張ろう”というのとで複雑な気持ちだったんですけど、頑張ります。私は宝塚が大好きでよく観に行っていたので、王子様役はイメージしやすいのですが、お姫様役のイメージが掴めなくて…そこがこれからの課題だと思っています。」
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吉澤ひとみ(大臣)…「大臣は悪者なんですけども、初めて挑戦するキャラクターにばしっとはまるよう、演出家の木村さんにビシバシしごかれながらやりたいと思います。父親の役でもあるので、格好いい大臣をきめたいです。」
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藤本美貴(魔女ヘケート)…「最初、魔女と聞いたときはびっくりした反面“ああ、まあ、そうだよね”って思ったりしたんですけども(笑)、私が魔女だったら箒で空を飛んだり、瞬間移動できたり、時間を止める魔法ができたらいいなと思います。」
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久住小春(大臣の息子)…「ミュージカルは初めてで楽しみです。歌やダンス、お芝居を一生懸命頑張りたいと思います。」
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石川梨華(フランツ王子<トリプルキャスト>)…「男役が初めてで、その男役が王子様ということで光栄に思っています。トリプルキャストなので、最終的に愛ちゃんのハートを射止めるのは自分になるよう精一杯演じたいです。」
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安倍なつみ(フランツ王子<トリプルキャスト>)…「私が演じる役はフランツ王子という役で、高橋愛ちゃん演じるサファイアに恋をする役でございます。王子様役、男の子役を演じるのは初めてなので今からドキドキして楽しみにしている訳なんですけども、そのフランツ王子を演じるのが私と石川梨華ちゃんと松浦亜弥ちゃんのトリプルキャストということで、色々なフランツ王子を感じて頂きたいと思っていますので、是非観にきて下さい。待ってます(ビデオメッセージ)」
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マルシア(王妃)…「毎回どの舞台に立つ時も、白紙に戻って、もう一回役作りとか魂を作り直すというか…目一杯やらせて頂きます。私は今まで娼婦とか、強烈な役ばかりでございましたが、今回は“サファイア〜”って世界じゃない?(笑)。普通の台詞の声や歌い方も全てゼロからトレーニングするということで、王妃になった気分で頑張らせて頂きます(笑)。
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植田紳爾…「木村君は宝塚のエースでもありますけれど、日本のミュージカルの世界でも頑張って欲しい、一番期待の星でございます。日本のミュージカルは、輸入ミュージカルの時代からオリジナルの時代に来ています。そういう意味で、手塚先生の不朽の名作と、無限の可能性を秘めた彼女たちと共に、日本のミュージカルを創って、輸出して欲しいと期待しております。きっと面白いものになると思いますので、どうぞご期待頂きたいと思います。」
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木村信司…「ハロー!プロジェクトは団体生活や映像の世界で鍛えられ、根性と集中力があるので、基本的なトレーニングを積んでいけばすごいものになるのではないかと期待しています。今日は5人しか挨拶をしませんでしたが、一人一人が可能性を秘めていると思いますので、それを発掘していきたいです。普通のアイドルの芝居をやるつもりはありません。そんなことをするのであれば、植田先生の監修の下で私が宝塚から来る意味もないですし、ハロー!プロジェクトを使って宝塚の真似事をする気もありません。そんなことは不可能ですし、無意味なことだと思っております。そうではなく、今の彼女たちにしか出来ない、鍛え上げられたミュージカルを、そして彼女たちの将来をも映すようなミュージカルを創りたいと思います。壇上からですが2つお礼を言いたいと思います。宝塚では下級生が上級生の背中を見て“いつかあんな風になりたい”と努力をして育っていくのですが、その趣旨をわかって頂いて出演下さったマルシアさんと渡辺プロにお礼を申し上げたいです。そして、堕天使チンクが出来ないとか結末が違うなど、自由に脚色できたことに関して、改めて手塚プロにもお礼を申し上げたいと思います。」
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手塚眞…「“モーニング娘。で『リボンの騎士』がミュージカル化される”というお話を最初に聞いたとき“そんな夢みたいなことが本当にできるんですか?”と半信半疑でした。でもこのように成立する夢もあるんですね。素晴らしい企画が成立したことを喜んでいます。これは歴史的な瞬間です。皆さんご存知の通り、手塚治は子供の頃、宝塚歌劇や舞台のミュージカルを見て育ちました。そしてまさに『リボンの騎士』というのは宝塚歌劇に捧げた漫画で、漫画そのものがミュージカルといってもおかしくないような作品です。それが時を経てこのような形で、また宝塚の方々にもお手伝い頂きながらミュージカルになるということは、この近代から現代に至る日本の文化の一つの総決算になるのではないかと期待しております。素晴らしいキャストを揃えて頂き、楽しく、見ごたえのあるステージになるんじゃないかと期待を高めておりますけれでも、同時に『リボンの騎士』は手塚治の代表作品の中でも最も夢の豊かな作品ではないかと思います。若い方の中にはなかなか夢を思い描けない方も増えてきておりますから、このステージを見て、素晴らしい夢を見つけて頂きたいと心から願っております。そんな作品になればと陰ながら応援していきたいと思います。」